「e-ケアネットよっかいち」の活動は、9年目を迎えました。今年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、従来の活動方法を変更する必要性が生じ、活動しにくい状況でしたが、新型コロナウィルス感染症の感染状況に応じて、工夫しながら事業展開をしてまいりました。
このように柔軟な対応が出来たのは、会員や関係者の皆さまのご協力に加え、令和2年度独立行政法人福祉医療機構助成の助成区分「地域連携活動支援事業」(採択事業名:在宅で医療的ケアが必要な障害児と家族を支える多職種連携支援事業)」の助成金の活用で、オンラインに必要な機材購入ができた事が大きな成功要因といえます。
今年も1年間の助成を受けながら、①専門職および多職種の研修会の開催、②具体的な支援を検討するケース会議の開催、③地域の啓発活動としての当事者の声の記念講演会の開催、④医療的ケアが必要な子どもを育てる家族会の開催、⑤医療的ケアが必要な子どもと家族へのマニュアル冊子の充実、⑥特別支援学校や保育所等の専門職の不安軽減のための会議の開催、⑦事業報告会の開催、の7つの柱で事業を展開することが出来ました。
特に⑥は新規事業として取り組みました。
専門職および多職種が参加する研修会(勉強会)
多職種で具体的な支援を検討するケース会議
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、集合研修の形式を変更し、電子メール
(資料を添付)にて研修を行いました。
また、参加者へのアンケートも同様に配信を行いました。
講師:鹿島 彩香 氏
(名古屋市立大学病院 NICU 看護師)
50名に資料を配布し、23名からアンケートの回収を得ました。
勉強会では、レスパイト施設等が不足しているA県で、在宅で医療的ケアを必要とする子どもの母親が日常生活で感じている負担や不安等の思いを明らかにした調査について報告されました。
母親のその時々のニーズに合った情報提供や支援体制の整備を行っていく必要性や、また同じ境遇の母親との出会い・集まりの継続的な開催と参加できるための支援の重要性が示されました。
ケース会議では、「用事のため、留守を見てくれる施設を知りたい」「少しでも成長を促すための取組みはなにか」等、アンケートによって15の「Q」が収集されました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、集合研修の形式を変更し、電子メール
(資料を添付)にて研修を行いました。
また、参加者へのアンケートも同様に配信を行いました。
講師:中北 裕子 氏
(三重県立看護大学 公衆衛生看護学 准教授)
52名に資料を配布し、20名からアンケートの回収を得ました。
勉強会では、A県内の医療的ケア児を支援している専門職に対し、支援の難しさや悩みについての自由記載部分について、質的に分析した調査について報告されました。
抽出された課題に対し、具体的な対応への計画が可能である内容については、課題の共有および実践的研修計画立案につなげ、専門職のスキルアップの教育の機会を提供することが、医療的ケア児および家族の在宅生活の継続を支える大きな役割であることが示めされました。
ケース会議では、第1回検討会による3つの「Q」への回答案の検討や、新たに「施設利用時のカニューレや胃ろう抜去への予防策」等、アンケートによって3の「Q」が収集されました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、オンライン(web)会議を行いました。 (使用アプリ:Zoom)
―実践を通して感じていること―
講師:井倉 千佳 氏
(三重大学医学部附属病院小児トータルケアセンター 看護師)
23名が参加し、17名からアンケートの回収を得ました。
勉強会では、福祉における課題は「選択肢が少ない住まい、限られたレスパイト・入所施設」等の6点、医療における課題は「在宅医の不足・フォローできる医療機関の限定」等の2点、教育における課題は「教育と医療との連携」等3点、行政における課題は「行政間での連携」等の2点が示されました。
ケース会議では、第2回検討会までの5つの「Q」への回答案の検討を行いました。
医療的ケアが必要な障害児と家族」による当事者の声の記念講演会
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、オンライン(web)による講演会を行いました。(使用アプリ:Zoom)
~ミトコンドリア病の娘との暮らし~
講演者
参加者は80名でした。
お子様を大切に育てているお母様、ご家族の思いを拝聴し、医療的ケア児の支援に携わる者として、大きな学びを得ることができました。
医療的ケアの必要な子どもを育てる家族会の支援事業
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、オンライン(web)による講演会を行いました。 (使用アプリ:Zoom)
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、特別な広報は行わず参加者は少人数に制限し、訪問リハビリの専門職から紹介のあった希望者とした。
参加者全員に手指消毒、体温測定及び体調確認を行ったうえで入室してもらった。
ランチ及び話し合いの最中は、卓上に飛沫防止のパーテーションを設置して行った。
参加者は、医療的ケア児と母親2組と関係者7名でした。
医療的ケアが必要な子どもと家族のマニュアル(Q&A)冊子拡大
多職種で具体的な支援を検討するケース会議で収集された「Q」に対し、回答案の協議および検討、未回答「Q」の回答候補職種の選考を行いました。
また、ホームページに掲載する原稿を作成しました。
特別支援学校や保育所等の専門職の不安軽減
多職種で具体的な支援を検討するケース会議で収集された「Q」に対し、回答案の協議および検討、未回答「Q」の回答候補職種の選考を行いました。
また、ホームページに掲載する原稿を作成しました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、対面とオンライン会議によるグループミーティングを行いました。 参加者は、看護職12名でした。医療的ケア児に関わる看護職員の不安や困りごとと課題は10点抽出され、課題への対応を検討しました。
特別支援学校5校に対し、訪問またはリモート訪問を行い、学校看護師6名と教職員10名に、医療的ケア児の支援についてインタビューを行いました(1月末現在)。
(2020年度中にあと6か所訪問予定)
学校看護師や教職員の具体的な不安・困難な事や、医療的ケア児の支援における各学校の工夫をうかがうことができました。
事業報告書作成および報告会開催
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、オンライン会議にて行いました。
今年度は初めてオープンでの事前申し込みを受け付け、参加者を募りました。
柱立て1~6の成果報告を行いました。
参加者は、16名でした。
報告書を作成し、150部印刷しました。
ご希望の方には配布を予定しております。
【送付申し込み】
①ご氏名
②送付先(住所)
③連絡先(電話番号・メールアドレス)
④希望冊数
連絡先:俵 daihyou.e.carenet.yokkaichi@gmail.com
(冊数には限りがありますのでご要望に添えない場合はご容赦ください)